恋は諸行無常。

音楽、ナンパ、思想

じゃあ何故あんな目をして僕を見たんだい?

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僕が拒めないのを知ってて気が向いた時だけ誘って

次の日には何もなかったように振る舞うのが上手かったね

 

僕からの電話は無視して寂しい時にだけかけてきて

さも僕だけみたいな声でハニかむのも得意だったね

 

ああ baby あの日僕の中に誰を見てたんだい?

届かない人の代わりに僕にキスしたんだろう?

 

ああbaby じゃあ何故

あんな目をして僕を見たんだい?

勘違いしてしまうよ 誰でもよかったクセに

 

じゃあ、何故/阿部真央

 

 

・・・・(繋がらない電話の音)

 

 

ー1月ー

 

 

年が明けても僕はリエと定期的に会っていた。表参道のAppleストア前の交差点で待っていた僕に後ろから抱きついてきたり、改札前で帰りたくないと何度も愚痴ったり僕はリエと全てがうまくいっていると思っていた。

 

けれど

 

・・・・(繋がらない電話の音)

 

 

毎日していたLineが突然未読になってしまった。どれだけ待っても既読されない。

 

電話をかけてみる。

 

・・・・(繋がらない電話の音)

 

 

何度もかけても繋がらない。2人で行こうねと苦労して取ったサーカスのチケットは紙切れになった。それから半年間リエからの音沙汰は無かった。

 

ー半年前ー

 

再開発された東京湾が見渡せる小洒落に小洒落たブルワリーレストランでリエとは初めて出会った。大きな瞳と口が特徴的で身長は決して高くないがすらりと白い足が印象に残っている。

 

友人が企画しれくれた飲み会で僕らは出会い、僕はリエに一目惚れをして、無理して六本木のレストランなどに連れて行ったりして彼女の気を惹こうと苦心した。

 

Lineの返事は滞りなく毎日続き、これまた無理していった銀座の小籠包レストランの後誰もいない日比谷公園で初めてのキスをした。

 

クリスマスも一緒に過ごして僕は間違いなくリエに惹かれていたけれどリエの気持ちは正直全く読めなかった。というかリエが僕をどう思っているかは何となく分かっていたけれど僕は希望を捨てたくなかったしそれを認めたくなかった。

 

 

ー9月ー

 

彼女の誕生日を覚えていたので期待ゼロで深夜におめでとうと連絡をしてみた。

僕は仕事を辞めて次の会社への入社までの間海外一人旅中で少し気が大きくなっていた。

諦めの悪いと男と思われても構わない。僕は所詮孤独で惨めな男なのだ。失うものはない。

 

僕 :今日誕生日だったよね?おめでとう(ケーキの絵文字)

リエ:覚えてくれたんだー!嬉しい!ありがとう!

 

返事をくれただけで嬉しかった。

自分に気がないことなんと言われなくても分かっている。

 

僕:久しぶりに軽くご飯でもどう?

リエ:いいね!いつにする

 

ー10月ー

 

新宿20時

 

リエは綺麗だった。華奢な体と大きな瞳、身長が低いのを気にして履いている高いヒールもそのままだった。突然音信不通になったことに何の罪悪感も感じている様子もなく、いつものように呆れるほど無邪気ににっこり微笑んだ。

 

レストランでは何事も無かったように下らない話をして、当然のように僕が全額を支払うことになった。ただの財布。それには触れず2人は当てもなく歩き出した。

 

なんとなく新宿改札南口の広場に座り目の前の景色をぼんやりと眺める。出会ってから1年以上経っていたし、これ以上同じように会っても無駄だと思った。曖昧だった関係をはっきりさせたくて、好きだと伝えた。

 

リエははぐらかすように笑って即答は出来ないと答えた。

 

またねと言って改札で別れた。

 

 

ー10月②ー

 

あれから昔のように毎日のLineは復活したが、一向に告白への返事はない。ご飯に行こうと言ったら昼に映画に行きたいと返事が来た。彼女は映画が好きだと事ある毎に口にしていたのだけれど映画の知識はないに等しかった。今思えばただ僕との時間を無難にやり過ごすための口実だったんだろう。

 

前日に明日の話題を出したらもう驚かないが忘れてたー!との返事。どうでもいい存在だとい認識されているのは分かっているけれど精神的に疲れていたしじゃあ辞めようと言うと謝ってくる。生まれた時から今までずっとチヤホヤされてきて人の気持ちなんか考えたこともないんだろう。無感情に返信していたら告白の返事が来た。

 

 

 

 

リエ:やっぱり君とは付き合えない。本当にごめんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この物語はフィクションではありません。キタリエに似た人でした。